必要なのは、油じゃなくて脂です
下赤塚の美容室クローバーの小野浩正です。
今回は、サロンワークで起きた疑問に、僕なりの解釈と対策を。
復習を兼ねて、髪の構造のお話もチェックしてね。
クリック! 【髪の構造】
よく美容室で
「〇〇の植物から抽出したオイル」
「オーガニックオイル配合のカラー剤を使用」
「このオイルで髪まとまる」
・・・って、見たことありません?
確かに、オイルはキューテクルと相性が良いので、薄~く塗ってあげると落ち着きます。
でもそれは“キューティクルが存在している”という前提です。
パーマやカラーを繰り返した髪は、キューテクルが無くなってしまう事があります。
キューティクルが無くなってしまった髪は、バサバサでツヤの無い髪になります。
ここで大事なのは【キューティクルを剥がさない】ということです。
それと【キューティクルが剥がれないようにする】ケアが大事です。
キューティクルを剥がさないようにするには、油じゃなくて脂なんです。
油は常温で液体、脂は常温で固体です。
この“脂”。髪のどこに存在するのか。
脂は髪の細胞同士を繋ぎ合わせ構造を保持し、水分のコントロールをするための物です。
髪の構造を巻き寿司に例えるならば、「シャリの粘り。すし酢」が髪で言う“脂”にあたります。
毛髪科学では“CMC”なんて呼ばれています。
このCMC、原料はコレステロール、セラミド、脂肪酸です。
こんな感じに、水と脂のサンドイッチ構造になっています。
この構造をラメラ結晶構造と呼びます。
最近ボディーソープで「ラメラを守る」なんていう商品CMがありますね。
ラメラ結晶構造は髪だけでなく、肌も同じ構造を持っています。
このバランスが崩れてしまうと、髪の組織同士がくっついていられなくなります。
組織がくっついていないので、キューティクルはもちろん、髪の組織がバラバラになってしまいます。
「枝毛」の発生です。
脂が無いから、髪の水分調節ができなくなり、パサパサした質感になってしまいます。
そうなってしまった髪に、いくら「油」を表面に塗っても、状態は良くなりません。
はっきり言って、意味無いかもしれません。
だから【油じゃなくて脂】なんです。
そしてキューティクルの表面には“18MEA”という、頭皮から出てきた皮脂を吸い上げて、毛先まで行き渡らせる機能を持った存在があります。
ただこの18MEA、パーマやカラーのたった1回の施術で30〜50%ぐらい剥がれると言われてたり、アルカリ性のヘアカラーなんかならたった1回の施術で 70〜80%も無くなってしまうとも言われています。
ちなみにブリーチとかしちゃうと、1回で全て消失したというデータもあります。
18MEAは、後で自然に修復されません。
無くなったら無くなりっぱなしです。
疑似的なもので良いので、18MEAを補うもの・・・としての油を選んで使って頂きたいです。