シャンプーのお話から環境問題
こんにちは。
下赤塚の美容室クローバーの小野浩正です。
ノンシリコンシャンプーのお話から膨らませて、僕の知っている事や僕が思っている事を書いています。
今回は
「シャンプーから環境問題」
です。
履いて捨てる程いる美容師がボッチでやっている美容室のブログで、環境問題を取り上げる……。
炎上覚悟です。
でも、環境の事も考えて使うツールを選んでいる美容師や美容室が、はたしてどれくらい…特に美容室クローバーのある赤塚にどれだけあるでしょうか。
僕はメーカーの売り文句に踊らされる事なく選んでいます。
今回はズバーっと、エクストリームに書きます。
天然由来の洗浄剤として代表格なのが、ヤシの実。
ヤシの実を収穫するのに必要なのはヤシの木、アブラヤシという種類の木のヤシの実を使ったパーム油がシャンプーの洗浄成分の原料になります。
アブラヤシはもともと熱帯地域を原産とする植物で、現地では昔から自家消費用として栽培されてきましたが、20世紀半ばから東南アジアでプランテーション方式による集約的な栽培が始まってから、その面積は徐々に拡大してきました。
特にインドネシアとマレーシアで農園の拡大が著しく、現在パーム油の総生産量の約85%を占めています。
他にもタイ、コロンビア、ナイジェリアといった国でも広がりつつあります。
先に”プランテーション方式による集約的な栽培”と書きましたが、プランテーション方式って何?…って聞こえてきましたので先に言いますが、女性服のブランドではなく、
「プランテーション (plantation) とは、熱帯、亜熱帯地域の広大な農地に大量の資本を投入し、国際的に取引価値の高い単一作物を大量に栽培する(モノカルチャー)大規模農園またはその手法。」
Wikipediaからコピペさせてもらいました。
つまり、
「あなたの農地を広げてアブラヤシ植えましょうよ!実から採れる油が先進国で大人気だから金になりますよ!ウチの従業員として、毎月確実にお給料もお支払致します!」
と、なりました。
これが全ての始まりです。
家族に良い生活をさせたいがために、農地の隣の森林を伐採してアブラヤシを植えていきました。その行き過ぎた行動で森にすむ動物達は、棲みかを追われ、絶滅の危機にも瀕しています。
今までにおよそ九州と同じ広さの熱帯雨林が失われました。
またアブラヤシ農園開発は、大規模な土地を必要とするその性質上、地域住民が権利を主張している地域と重複してしまうことがあり、その結果土地の権利を巡る紛争に発展するといった事例が各地で頻発しています。
企業「ここは当社が政府から買った土地です」
地元民「いやいや、ここは先祖代々受け継いだ神か宿る俺達の土地だ!」
企業「え、証拠は?こっちには権利書があるんだ」
地元民「権利書?何だそれ!こっちは何百年も前からだぞ!」
……みたいな事が頻発していたらしいんです。
そして大規模なアブラヤシ農園は、移住労働者や日雇い労働者といった安価な労働力に支えられています。
最低賃金を無視した歩合制賃金、厳しい達成ノルマの設定、農薬散布による健康被害、児童労働、始めに債務を背負わされ労働を強制される債務労働など労働者の権利が侵害される状況が頻繁にみられます。
あれ、アブラヤシ植えたらお金になるんじゃなかった?
…ならないんです。
儲かってるのは先進国の企業だけなんです。
とっても複雑で、とっても身近で、とってもヤバイ問題です。
一美容師が声を挙げても、大成に影響無いので、声を挙げます。
天然由来のシャンプーを使う事が、はたして本当に環境にも優しい事何でしょうか…。
一つ問題です。
『じゃあアブラヤシを使っていない活性剤は何?』
と言われて探すのがしんどいくらいです。
活性剤は加工の段階で、脂肪酸くっつけるので、ほぼほぼヤシ油由来になってしまうので💦
実は「洗浄成分アミノ酸系100%
j」とか、却って皮膚の刺激を感じてしまう…とか、ベタイン系も日本人があまり好まない軽い仕上がりになりすぎちゃったり、値段高めになっちゃったりします。
・・・といったような、環境問題なども理解した上で、美容室クローバーでは、配合バランスにこだわって、”あえて”アブラヤシ原料のものも使っています。だって、良いものをお届けしたかったので。
また今回は一番ヤバいアブラヤシを例に挙げましたが、それを使う事で、誰が美味しい蜜を啜り、本当は誰かが苦しんでいるのかもしれない…という事も同じ地球上に棲む「ホモ・サピエンス属」として、ほんの少しは考えても良いのではないのでしようか。
情報に踊らされるのが日本人ですので、自身の価値観で判断して頂きたいですね。
ではまた。