シャンプー剤に入っているシリコンは髪に良くないのですか?
下赤塚の美容室クローバーの店主、小野浩正です。
良いとか悪いとかは難しい問題です。
動植物が作る天然のオイルは炭素を骨格に用いています。私たちの皮脂もCMCも炭素系のものですが、天然オイルの欠点としては紫外線や熱で酸化腐敗されて過酸化脂質という悪性オイルに変化することです。
一方、シリコンオイルは炭素をケイ素に置き換えた人工的なオイルで、天然オイルの欠点である酸化腐敗をおこさず、そのポリマーは生体内で不活性であるために医療分野では人工血管や人工心臓などに応用されています。炭素もケイ素も地球上では非常に多い元素で、例えば炭素からなる天然ポリマーは備長炭やダイヤモンド、ケイ素からなる天然のポリマーはガラスや水晶などがあげられます。
非常に安全性が高いために、紫外線により肌の上で過酸化脂質のような悪性のオイルに変わらないことから肌用の化粧水などに多く使用されていますし、シャンプーに用いてもシリコンが毛穴に詰まりトラブルを起こすことはないというデータも花王さんから公表されています。
また、ストレートパーマ1剤やカラー剤にもシリコンオイルが含まれていますが、180℃でストレートアイロンをしてシリコンを髪にコートしても、カラー施術ができなくなることはありません。
さて、シャンプー剤はそもそも髪や頭皮の汚れを洗い流すものなので、シリコンオイル(メチコンやジメチコンなど)の配合目的は主としてダメージケアです。通常の天然オイルではハイダメージ髪に残せないので、シリコンオイルを用いることでダメージケア効果を実感できるようになりました。しかし、スカルプケアやローダメージの髪にはシリコンオイルは必要ないため、今までもノンシリコンシャンプーが用いられていました。したがって、スカルプケア=ノンシリコンは当たり前なのですね。
シャンプーにはそれぞれ目的があり、ローダメージの人がハードダメージケア用のシャンプーを用いるとシリコンオイルが付きすぎるトラブルを引き起こします。ダメージの髪用のシャンプーは、そもそもダメージの人にあうように作られているのですから、べたつくのは当たり前なのですね。ただ、悪い悪いと決めつけるのではなく、なぜ悪いのか、なぜ良いのかをしっかり確かめなくてはいけません。
ちなみに、美容室クローバーで使っている、ダメージケア用のトイトイトーイシャンプーにはシリコンオイルを配合されていりますが、ヘッドスパで使うリマサリクレンジングシャンプーにはシリコンオイルは配合されていません。それはリマサリは頭皮の汚れをとるシャンプーで、余分なものは配合していません。