パーマの時は、髪では何が起きている?
下赤塚の美容室クローバーの小野浩正です。
前回まで、髪を巻き寿司に例えて、カラーリングのことを書いていました。
今回はパーマ編です。
まず簡単におさらい。
髪は巻き寿司みたいに三層構造になっています。
のりが“キューティクル”
お米が“コルテックス”
具材が“メデュラ”
といいます。
お米(コルテックス)には、ゴマ(メラニン色素)がガッツリ混ざっています。
ゴマの香りは芳ばしく、噛む度に歯応えを感じる程に混ざっています。
では、パーマをかけましょう。
パーマは髪の組織の化学変化・・・還元と酸化を利用して髪の組織を動かします。
還元とは、[酸素を取り去る、または水素と化合する反応]。
酸化とは、[酸素と化合、または水素取り去る反応]です。
パーマをかけるには、パーマ液とロッドと呼ばれる円柱状のものを髪の毛に巻いていきます。
このロッドを巻く作業がワインディングと呼ばれる作業です。
これ、国家試験の課題になっている巻き方です。
このロッドの太さ、巻き付ける回転数、縦に巻く・横に巻く、らせん状に巻く、等々でデザインが変わってきます。
パーマ液は、アルカリ剤と還元剤というものが入っています。
還元剤というのが、髪の組織・・・巻き寿司で言うと“お米”ですが、このお米の並びを変えるために、お米の粘り気を少し切ってお米を動き易くするためのものです。
そして、アルカリ剤は、その還元剤を髪に浸透させるために、キューティクル・・・巻き寿司の“海苔”を緩めて、お米の粘り気を切る作用があります。
髪にロッドを巻いていきます。
ロッドを巻くと、もちろん髪は曲げられた状態で巻きつきます。
この時に、巻き付けた髪の内側と外側で、距離の差が生じます。
陸上競技のトラックみたいにイン側とアウト側・・・のような距離の差を生じます。
巻き寿司をクニュって曲げてみると、この時、曲げた巻き寿司のイン側は窮屈に、アウト側は伸ばされています。この時に“パーマ液”を作用させてお米のくっつきをゆるくして、くっついているお米の位置を移動させて、形を形成していきます。
これで程なくして形が変わったら、それを固定させるために酸化剤を使ってお米がずれないようにします。
アルカリ剤はもちろん、還元剤も酸化剤も、髪に残しても何も良いことはありません。
しっかり流して、髪に薬を残さないように丁寧に仕上げていきます。
次は、何でパーマがかからないか?…をお話しますね。