そもそも人間の毛とは…?
下赤塚の美容室クローバーの小野浩正です。
今回は、髪の毛について。
あってあって当たり前で、あまり何にも考えない髪ですが、長~~~・・・・・い年月を経て、今のような状態になっていますよって話です。
髪って何?
そもそも毛は皮膚が進化したものです。
地球にオゾン層が出来上がり、危険な紫外線が地上に届きにくくなってきた魚が3億6000万年前のデボン紀に陸上でも生活できる両生類に進化しました。
さらに陸上生物は紫外線を防御する手段を獲得し、生命の安全を図るためにケラチンと呼ばれる硫黄を含んだたんぱく質で体を覆うことで陸上だけで生活できる爬虫類に進化していきました。
しかし、地上は水のなかと違い昼夜の寒暖差が激しく、やがて皮膚を髪に変化させることができた爬虫類と鱗のように硬い皮で守る爬虫類が生まれました。
前者はやがて人間を含む哺乳類に進化し、後者は鱗を持つ恐竜から、さらに鱗が進化して羽根になり鳥類に進化します。そういう意味で、皮膚も髪も羽根もケラチンたんぱく質からできています。
このように人間の髪は、紫外線、乾燥、寒暖、刺激から命を守る為に皮膚が進化したものです。
その成長は皮膚の10~50倍も早く、いかに毛が非常事態に備えて頑張っているか分かります。
さらに髪は危険とされる重金属などが脳に蓄積されないように毒素を排出する役割も持っています。
どうしてヒトは体毛をなくしたのか?
ヒトは500万年前にチンパンジ―から分岐しました。
私たちの体毛は、猿人の時代からずいぶん少なくなりはじめ、原人の時代にはほとんどなくなり、脳を紫外線から護る頭や摩擦から護るわき毛など生命活動や維持に必要な個所だけ残り、必要のない体毛は退化していきました。ヒトは体毛をなくした理由は、「汗をかく能力」を獲得するためと考えられています。ヒト以外のサルたちは汗をかくことができません。
長距離を歩いたり走ったりする哺乳類の大部分は、口や鼻から多量の水分を蒸発させて体温を下げる働きがありますが、ヒト以外のサルたちは口や鼻から多量の水分を蒸発させることもできません。
ヒトはめずらしいことに、毛穴から毛をなくし、毛穴から汗を出すことで体温を下げる能力を獲得し、厳しい環境の中で生き残ることに成功しました。
大きな地殻変動で豊かな森がなくなり草原に変化して多くの動物がほろんでいくなかで、ヒトは二本足で直立し、熱帯の草原を昼中長距離移動しても能率よく体温を下げるために体毛を失うことが生き残るために絶対に必要だったわけです。